すいすい通信 vol.59 2016年2月号


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    ☆ すいすい通信  ☆  vol.59 2016年2月3日配信 
          
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こんにちは。リーゾの門奈です。
暖冬かと思いきや、まさかの大雪があった先月、影響を受けられた皆様にお見
舞いを申し上げます。暦の上ではあすから春とはいえまだまだ油断できない寒
さです。どうぞ気をつけてお過ごしください。

それでは、今月の「すいすい通信」をお届けします!

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・特集・・・・・・・・・・・・・・郵便局の特産品カタログに【美食同玄米】
・零細起業の経営実務・・・・・・・・(13)バイオハックで低コストラボ
・こどもといっしょにサイエンス・・・・・・・・・・・・・・・・カビ書道
・リーゾからのお知らせ
 
          
■ 特 集  ━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

郵便局の特産品カタログに【美食同玄米】

美食同玄米が、ついにやりました!
なんと、郵便局の「2016関東特産品カタログ」に、掲載されたんです。
・・・というのは、前号の「お知らせ」ですでにお伝え済みなので、今回はそ
の裏話です。

ことの発端は、昨年の秋。知人の紹介でご縁をいただいた、つくば市内の某郵
便局長さんからの電話でした。
「関東5県の郵便局長が推薦する特産品を集めたカタログがあるんですけど、
リーゾさん出しませんか?」

それは願ってもない話でしたので、もちろん出したいです、と答えつつ、供給
量がものすごく少ない商品だし、どうせダメだろうなーと思っていました。と
ころがあれよあれよという間にカタログ用の写真撮影やら契約手続やらが進み、
ついにカタログが印刷されて郵便局に並びました。

(ちなみに、カタログに載っている写真、他の商品は局長さんだけなのに、な
ぜかうちのだけ、局長さんと私のツーショットになっていて「誰これ?」とい
われそうな感じです)

それでも、「1月〜3月の販売期間中に、20個くらい注文くれば元が取れる
な」とのんきに構えていたところ、1月4日の初日だけで70個を超える注文
が!!!・・・郵便局の販売力、おそるべしです。

美食同玄米は、異物を取り除くのに手間がかかるため、がんばっても1日10
個(15kg相当)くらいしか出荷できません。ご注文いただいたのに、お待
たせしてしまうのはとても心苦しいのですが、焦らず丁寧に、を心がけてスタ
ッフ総出でがんばってます(初めての「全員で休日出勤」も1日やりました)。

今回は、郵便局の力でたくさんの注文をいただいてますが、カタログ販売期間
が終わってからが、本当の試練だと思っています。今回、よくわからないまま
ご注文くださったお客様もいらっしゃることでしょう。満足していただけてな
ければそれで終わりですし、気に入らないことがあればネットに書き込まれる
可能性もありますし。27年産が売り切れてしまえば、28年産が取れるまで
時間が空き、忘れられてしまう恐れもあります。
いまさらですが、商売って、ほんとうに難しいです。

美食同玄米は、話をかなり端折って言えば、日本の美しい水田風景を後世に残
すことを目的としたプロジェクトで、販売自体が、実験です。

うまく行けば、稲作が魅力的なビジネスになり、若者が後を継ぎたくなるはず
なんです。そのあたりはまた改めて語りたいと思いますが、そんな背景がある
ことも知っていただいて、今後の展開を見守っていただければうれしいです。


http://www.shop.post.japanpost.jp/shop/g/gCS5830712413


■ コ ー ヒ ー ブ レ イ ク ━━━━━━・・・・・‥‥‥……… 

零細起業の経営実務(13)バイオハックで低コストラボ

起業を考えている研究者の皆さんに、リーゾの経験をお話しするシリーズです。
今回は、「バイオハック」を地で行くリーゾの超低コストラボのセットアップ
についてです。

すいすい通信のバックナンバーでも、貧乏なラボならではの創意工夫をいろい
ろご紹介していますように、バイオベンチャーとしてスタートした以上、商売
を始めるのに最低限必要な実験機器を、最低限のコストで入手しなくてはなり
ませんでした。

元飲食店だった店舗を居抜きで借りることで、冷蔵庫、製氷機、電子レンジ、
エアコン、ガスレンジ台、おしぼりウオーマー(乾燥機代わり)などはタダで
入手。オートクレーブ代わりの圧力鍋は、自宅で眠っていたものを活用。実験
台代わりの事務机と事務用の椅子各2つは、知り合いに不用品(美品!)をタ
ダで譲ってもらいました。

電気泳動装置(MupidとPAGE用のもの)とピペットマン、pHメーター、スター
ラー、UVトランスイルミネータは、大きな声では言えませんが、ラボのボスた
る友人諸氏が「廃棄した物」を譲ってくれました。

電気泳動ゲル撮影装置は、トランスイルミネーターに底抜けの箱とオレンジ色
のアクリル板を載せ、デジカメ撮影することで自作しました。

購入したものは、96穴でグラジエントつきのPCR装置(中古屋さんで、23万円)、
電源装置(ヤフオクで2万円)、微量高速遠心機(同、4万円)、精密天秤(某
製薬会社の研究所が撤退するときのオークションで2万円)、その他、安価な
小物を数点くらいです。

純水製造機は高くて買えないので、純水そのものを必要分だけ買うことにして
(ドラッグストアで、500ml入りが100円程度)、器具洗浄には家庭用の浄水器
を通した水を使うことにしました。

前述のように、オートクレーブは圧力鍋で代用です。
クリーンベンチももちろん高すぎるので、ビニール製のミニ温室を実験台の上
に設置して簡易クリーンベンチとしています(組み換え実験などは行わず、ホ
コリ防止程度の目的なので、これで十分です)。

必要な機器を絞り込むこと、原理を考えて家庭用品で代用すること、タダでも
らえるものはもらうこと、中古品を探すこと(ヤフオクには実験機器が結構出
ています)。これでかなり低コストでラボが作れます。

などと偉そうに言ってますが、実はバイオの実験を自宅でやっちゃおうという
人たちがいて、その活動を「バイオハック」と言うんだそうです。海外では、
クローゼットで組換え乳酸菌を培養したり、自分のDNAを抽出して自力で遺伝
子検査をやったりするツワモノもいるようですよ。
日本でも、バイオハッカー・ジャパンというサイトがあります。

お金はなくても、目的から逆算して考えれば、工夫次第でかなりの実験ができ
るとは(できない実験ももちろん多いですけど)、起業するまでは夢にも思い
ませんでした。こんな経験はなしで済むならその方がいいのでしょうが、工夫
する過程は知的なゲームとしてもかなり面白く、経験できてよかったと思って
います。

不思議なのは、最初は「当座しのぎ」のつもりだったはずが、そこそこお金が
使えるようになった今でも、新しい物に買い換える気持ちにならないこと。だ
って、使えるんですもん。壊れるまで、愛用するつもりです。

バイオハッカー・ジャパンのサイトはこちら
biohacker.jp/

貧乏ラボマニュアルはリーゾのブログに載ってます
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/cat36785625/index.html


■ こどもといっしょにサイエンス ━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

カビ書道

こどもと一緒に、身近なもので理科実験や観察を楽しむシリーズ、今年度は、
「生物編」をお送りしています。今回は、家でやってもらうとちょっと困りそ
うな、でもすごく面白い実験をご紹介します。

カビ、というと抗生物質の成分を作り出すなど、人間にとって非常にありがた
いこともしてくれている存在ではありますが、一般的にはあまり良いイメージ
を持たれていません。

食べ物を放置しておくと、いつのまにかぽつぽつと、さらに放置しておくと全
面的に生えてくるやっかいなカビですが、よく見ると、生育した際の質感や色
はかなりバラエティに富んでいることがわかります。

そんなカビを使って、「書道」ができないか?と考えた学生さんたちがいます
(※1)。試してみたい方のために、彼らが確立した方法をご紹介します。

まず、「墨汁」の作り方ですが、使うカビは、黒麹カビ(泡盛というお酒に使
う、Aspergillus awamoriが最適らしいです)。このカビの胞子を、薄い界面活
性剤溶液に懸濁します。

「半紙」の方は、ジャガイモを主成分とする微生物培養用の培地に寒天をまぜ、
平たいタッパーなどに流し込んで固めて作ります。このとき、pHを4.5程度の
弱酸性にしておくと、雑菌の繁殖を抑えやすいようです。

ご家庭で行うなら、マッシュポテトに溶かした寒天液を混ぜて再加熱したもの
を使うと良いと思います(酸性にするなら少しクエン酸を加えると良いかも?)

用意が出来たら、「墨汁」を筆に含ませて「半紙」に好きな文字を書きます。

その後、「半紙」を培養します。雑菌が入らないように注意しながら、12℃
(冷暗所)で3日から1週間、その後25℃で3日間培養して、ちょうど良い
状態になったところで完成!

さらに、「書」の保存の方法も考案されてます。作品をレンジにかけて寒天を
溶かして静かに水を注ぎ、浮き上がった文字の形(コロニー)をすくい取り、
紙などの上に移して乾燥させればいいそうです。

想像ですが、注意する点は、雑菌の混入と、培養しすぎだと思います(カビは
細菌類よりも生育が遅いので、細菌が入ってしまうと文字が出る前に腐ってし
まうでしょうし、培養しすぎると全面がカビになってしまって文字が見えなく
なりそうです)。

書道はめんどくさい、と仰るなら、培地を作ったところに、手形をつけて培養
してはどうでしょうか?
思いきり汚いところを触ってからだと、色とりどりの手形が生えてくるかもし
れません。色の違うカビをうまく利用すれば、カビ「絵画」も描けるかも。

ご家庭で試す場合には、くれぐれも家中にカビを飛ばしてお母さんの逆鱗に触
れないよう、気をつけてくださいね。

※1 神奈川県立神奈川総合高等学校の女子学生さん3名と顧問の先生
「化学と生物」に掲載された記事がこちらからダウンロードできます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/49/5/49_5_356/_pdf


■ リ ー ゾ か ら の お し ら せ ━━━・・・・・‥‥‥………

○郵便局の特産品カタログに【美食同玄米】(販売好調です!)

関東5県(群馬、栃木、埼玉、茨城、千葉)の郵便局長が推薦する各地の特産
品を集めた「2016年郵便局の関東特産品」カタログに、【美食同玄米】が掲載
されました。500g入り玄米3個セット2980円(税・送料込み)のお得なセット
です。販売期間は1月〜3月、300個限定です。

写真入りのブログ記事はこちら
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-1361.html

ネットでのご購入はこちら
http://www.shop.post.japanpost.jp/shop/g/gCS5830712413


○健康診断の発想に基づく土壌病害管理「ヘソディム」研究成果発表会

平成28年2月19日(金)13:15〜16:40、秋葉原コンベンション
ホール2Fにて、表記の研究成果発表会が開催されます。

リーゾも参画させていただいているコンソーシアムの研究成果を広く知ってい
ただくための発表会です。土壌病害管理にご興味のある方ならどなたでも無料
で観覧いただけます。リーゾは低コストな土壌DGGE解析手法についてポスター
展示いたします。

詳細はこちら(事前登録が必要です)
http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/sympo/h27/20160219.html


○「研究室秘書セミナー」を行いました

去る1月27日、つくばカピオにて、大学や研究機関などで秘書として働きた
い主婦向けのセミナーを行いました。

4名(1名欠席)の受講生さんと共に、講師の先生を囲んでリアルなお話を伺
うと共に、本音ベースの質疑応答を行うことができ、実りある2時間となりま
した。いずれまた企画したいと思っています(次回は宣伝をがんばります)。

開催ご報告ブログ記事はこちら
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-f7ca.html


○DNAマーカーの活用による種苗産業のオープンイノベーションセミナー

去る1月26日東京ステーションコンファレンス(東京駅日本橋口)で行われ
た、種苗産業・種苗会社さん向けの標記セミナーで、リーゾの受託サービスを
ご紹介しました。

種苗産業に関る方を中心に80名以上が参集する盛況ぶりで、「すにっぷすい
すい」「核酸抽出試薬」「交配袋」「データ解析」など、育種に役立つリーゾ
のサービスをしっかり宣伝してきました。
主催のかずさDNA研究所様、お声掛けくださりありがとうございました!

セミナーのプログラムはこちら
http://www.kazusa.or.jp/workshop/DNAmaker2016/program.html


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

○郵便局カタログによるお米の注文が想定外にたくさん来てしまい、「どうし
よう!?」と恐る恐る申し出た休日出勤に、なんとスタッフ全員が協力。ひと
りで抱えないで、みんなに頼っていいんだ・・・と、まるで青春ドラマのよう
に感動。おかげで怒涛の忙しさの山を無事に越えられました。大変な思いを共
有すると組織は成長するとか。これからのチーム・リーゾが楽しみです。

○センター試験の翌日、筑波大の先導的研究者体験プログラムの評価委員とし
て学生さんたちの研究発表会に参加してきました。いつの間にか学生さんたち
が自分の子供と同世代。年を取ったなあ、としみじみ思いました。学部生が研
究者生活をリアルに体験できるプログラム、いつもながらこちらも良い刺激を
受けました(若返り効果も期待したいです)。

筑波大ARE先導的研究者体験プログラムのサイトはこちら
http://www.esys.tsukuba.ac.jp/AC/RS/index_pc.php

○オープンイノベーションセミナーの会場が東京駅すぐだったので、大丸12
階の「つばめグリル」でひとりランチ。ひとりで飲食店に入るのは苦手で、ド
キドキしましたが、意外と女性のひとり客が多いんですね。おかげでリラック
スして久しぶりの「つばめ風ハンブルグステーキ(名物トマトサラダつき)」
を楽しめました。いい年ですが、大人になった気分です。

つばめグリルのサイトはこちら(回し者ではありませんが・・・)
http://www.tsubame-grill.co.jp/

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも、リーゾと
すいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。          



すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の皆様にお送り
しています。この号は607名様に配信しました。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方がいらっしゃ
いましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます↓

http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/



【すいすい通信】

発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日

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