すいすい通信 vol.174 2025年9月号
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☆ すいすい通信 ☆ vol.174 2025年9月3日配信
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こんにちは。リーゾの門奈です。
今月の「すいすい通信」をお届けいたします。
_/_/_/_/ I N D E X _/_/_/_/_/_/_/_/_//_/_/_/_/_/_/_/
・特集・・・・・・・・・・・・・・研究用「袋」さらなる進化
・零細起業のあれこれ・・・・・・・・・零細企業の後継者問題
・コーヒーブレイク・・・・・・ありのままを言えない?日本語
・リーゾからのお知らせ
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………
研究用「袋」さらなる進化
いろいろな植物種のご研究において、
開花後の人工授粉や純系維持、花粉回収、種子の超長期保存
などにご利用いただいているリーゾの研究用「袋」シリーズ。
最初の製品となった研究用交配袋は、
平均孔径が花粉より小さく、通気性と透光性がよく、軽く、
ポリシーラーで熱接着できる、という条件を満たす
国産の機能性不織布を取り寄せて、手作りしています。
ちなみに不織布のロールは通常の厚みが500m、
薄手が2000m巻きのかなり巨大で重たいものですが、
スチールラックとステンレス巻き棒とベアリングを駆使した
手作りのディスペンサーを作ることで、
切り出し作業がラクにできるように工夫しています。
イネ向け、ムギ向けなど8種類に加えて、
ご研究対象の植物種や、ご研究の目的やご要望に応じた、
様々なサイズや形状、時には材質も変えたものを、
特注品としてお作りしてきています。
お客様からの、時に無茶ぶりにも見える
「こんなの作れませんか?」
に対して、イエスかノーの前に
「どうやったら作れるか?」を考えてしまうのがリーゾ。
特注をヒントに、新たな人気商品が生まれることもあるので、
お客様からの無茶ぶりは(時に大変ですけど)大歓迎なんです。
ということで、今回は、最近いただいた特注品をご紹介します。
(※研究対象やご依頼主が特定されないよう、
ぼかして記載します)
まずひとつ目は、「花粉が回収しやすい袋」。
従来、花粉回収用の袋は「グラシン紙」を水糊で接着して
製作していますが、
「グラシン紙よりもっと滑りの良い紙で」
ということで、材料から検討しました。
光を通し、軽くて、水に強く、滑りが良い、に加えて、
重要なのが「水蒸気を通す」です(中に結露してはダメ)。
その結果、思いついたのが、クッキングシートに使われる
「シリコンペーパー」。
グラシン紙にシリコン加工を施した紙です。
ところが、成形の段階で「接着が全くできない」という難問が。
シリコン加工してあるので当たり前ですが、
糊もテープも全くくっつきません。
この点については、試行錯誤の末、解決策を見つけました。
「水糊でシリコンペーパーをしっかり接着する方法」、
どうしたらできるか、頭の体操してみてください。
(すごくシンプルで低コストな方法です)
ふたつ目は、「巾着型の交配袋」です。
袋の開口部付近にひもを通して絞れるようにして欲しい、
というご要望があり、どうしたらできるかひと晩考えました。
布袋なら、三つ折りにしてミシンをかけて紐通しを作ります。
同様のことを不織布とポリシーラーでできないか?と考えて、
開口部を折り返して熱接着する、
紐の入り口を空けるように側辺をシールする、
で、紐通しを作ってみました。
実際に紐を通して温室のイネに使ってみると、とても便利で、
どうして今までやってなかったのか?と思うほどでした。
この時は、屋外で果樹に使うということで、さらに
「周囲の枝に固定するひもを通すための耳」
もつけて欲しいとのご要望もあり、それも工夫して実現しました。
リーゾの不織布は、内側どうしのみが熱接着可能で、
「外側どうし」、「外側と内側」は全然くっつきません。
これはなかなか不便な性質でもありますが、
こういう性質だからこそ、道が開ける場合もあります。
(「耳」は、それで作れました)
実はいま「縦長の窓がついた交配袋」も制作中ですが、
それはまた、別の機会にご紹介したいと思います。
「こうだったら研究がもっとやりやすくなるのにな」
というニーズに、全力でお応えするのがリーゾの喜びです。
作り方を検討して、お見積を出すところまで全く無料ですので、
こういうのが欲しいけど無理?という場合には遠慮なく、
「無茶ぶり」してみてください。
※ご紹介した特注品は、他のお客様にもご提供可能です。
ご希望があれば、お声掛けください。
■ 零細起業のあれこれ ━━━━━・・・・・・・‥‥………
零細企業の後継者問題
起業を志す読者のみなさんへ、リーゾの経験をお伝えしています。
今回は、起業の行きつく先として避けては通れない
「後継者問題」を考えます。
40台で起業した私も、還暦まであとわずかの年齢となり、
「リーゾはいつまでやるの?」
と聞かれることが増えてきました。
いやいや、会社なんだからゴーイングコンサーン*でしょ、
(*企業活動は無限に続くと仮定されること)
と胸を張って答えられたらいいのですが、
多くの中小企業と同様、リーゾにも後継者は見当たりません。
考えてみれば、リーゾは今でも個人レベルの零細ですから、
「私が仕事を辞める=リーゾ終了」
とするのも不自然なことではありません。
そうか、会社ごと終わりにする手もあるのか!
とある意味、目から鱗でした。
リーゾがなくなっても、路頭に迷う社員はいないし、
借金はいつでも全額返せる範囲でしかしてないし、
会計年度を超えるような長期の受託契約などもないし、
やめたとして、誰に迷惑をかけることもないのかも?
ただ、リーゾの製品やサービスは、原則として競合がなく、
すなわち代替できる製品やサービスが世の中にないため、
ご利用中のお客様が困ったことになってしまうかも、
ということは心配です。
実を言うと、M&A会社などから、
「弊社の顧客企業が御社の買収に興味があると言っている」
という内容のメールや手紙は、これまでにも結構来ています。
とはいえ、おそらくですが不特定の小規模事業者に
ランダムに送っているんだろうと思い、
原則としてスルーしてきました。
なのですが、先日届いた同様の手紙に、
「試薬部門の切り離しを検討しないか?」
と、妙に具体的な提案が書いてあるものがあって、
ドキッとしました。
なるほど、うまいところを突いてきたものです。
すいすいシリーズは原価が安く、手間がかからず、高単価で
最も収益が大きい、リーゾの屋台骨ともいえる製品です。
すでに顧客がついていてブランドイメージもそこそこあり、
同業他社(試薬屋さん)にとっては、お買い得な事業でしょう。
切り離すといっても、分社化か、売却か、共同運営なのか。
難しい材料について相談&解決できるといういちばんの強みを
その後も生かせる道があるのか。
(ノウハウを伝授するのも限界がありますよね)
そして忘れてはいけないのは、切り離し後に残ったリーゾです。
交配袋、受託実験、鑑定事業、派遣&紹介、美食同玄米・・・
どれも比較的作業量が多くて利益が薄いものばかりです
(作業があるから楽しい部分もあるのですけどね)。
試薬も含めてすべてのことを少人数で切りまわせるからこそ
成り立ってきたリーゾですので、試薬の収益なしで、
経営を維持していくのはかなり難しいように思います。
成り行きでいろんなことをやっているリーゾを、
丸ごと面白がって引き受けてくれるような奇特な後継者が、
うっかり現れてくれたら良いのですけれど、
事業ごとに切り分けて、それぞれ得意とする人(会社)に
引き継いでもらうのが現実的なのかな・・・。
悩ましいところですが、先輩経営者諸氏に「まだ早い!」と
怒られそうなので、この話はこのへんにしておきます。
(なお、件のお手紙には、今のところお返事していません)
■ コーヒーブレイク━━━━━・・・・・‥‥‥…‥…‥…
ありのままを言えない?日本語
2025年7月26日に開催された、
「放送大学東京渋谷オンライン講演会
『日本語らしさとは何か~ありのままを言えない日本語は、
いったい何を言っているのだろう?』」(滝浦真人教授)
がとてもおもしろかったので、
例によって私なりに咀嚼してまとめてご紹介します。
言語とは、『ものごと=世界を描写する道具』です。
そして描写するとは、「ありのままを表すこと」。
・・・なのですが、日本語は「ありのまま」を嫌う言語だ、
というのがこのお話のテーマです。
たとえば、何かの集まりの司会をするとき、
「(集まりを)始めます」だけだと、
なんとなく「上から目線」と思われそうな気がして、
「始めたいと思います」とか、
「始めて参りたいと存じます」とか、
よけいな言葉をくっつけて、やわらげてしまいませんか?
この「・・・たいと思う」のような言い方を、
「クッション表現」あるいは「語用論的緩衝材」と呼びます。
「私は○○する」と言い切るのを避けるための表現です。
「こちらメニューになります」に代表される「なる」や、
「禁止させていただくこととなっております」の「こと」も、
クッション表現の一種です。
また、現在起こっていることなのになぜか過去形にする、
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」の「た」。
不思議な表現だなあと前々から感じていたのですが、
これは、過去のことであるかのように扱い、
「いま・ここ」からあえて外すことで丁寧さをかもしだす、
いわば「視点操作」なのだそうです。
ちなみに過去でも完了でもない「丁寧の「た」」は方言にもあり、
例えば居酒屋などで、
「次回のご注文でしたが、あちらにタブレットがありましたので、
そちらからお願いします」
「お席での会計でしたので、そのままお待ちください」
などと表現することがあるそうです。
(北海道、東北あたりの方言とか)
敬語でも、誰が何をする、と直接的に言わないために、
人物は「場所的に」動作は「出来事的に」言い換えます。
例えば、
「相手の息子が結婚した」なら
「ご子息におかれましては、ご結婚になられた由・・・」
というように、他者の行為を、
「どこかの場所で生じた出来事」として表現することで、
相手を敬う気持ちを演出するわけです。
普通の会話でも、「ありのまま」は伝わりにくくて、
暑いなあと思ったときに、近くにいる人に
「今日は暑い」
だけ言われたら、返答に困りますが、
「今日は暑いね」
なら自然と「本当ですね」などと返せます。
つまり、「相手をマークする助詞=ね」をつけることで、
返答を促し、会話を成立させています。
一方で、話し手だけに関わる事象についてであれば、例えば
「ああ眠い」→「疲れたんじゃない?」
「腹減った」→「何か食べる?」
のように、そのままで伝わり、自然な会話につながります。
日本語の特徴のひとつに「やりもらい」があります。
「教えてあげといてもらえると助かる」
「役員をさせていただいております」
など、よく考えると「誰が?」「誰に?」が不明瞭なのに、
なぜか伝わってしまうのが不思議です・・・。
まとめますと、日本語では、正確さや明瞭さよりも、
遠慮深さを優先して表現する傾向があるようです。
あえてありのままを言わずに伝えるなんて面倒な言語ですが
「クッション表現」「視点操作」「丁寧の「た」」「敬語」
などのツールが使われていることを学んだ今、
わかりにくい日本語も、スムーズに脳内変換できそうです。
■ リーゾからのお知らせ ━━━━━・・・・・・・‥‥……
○美食同玄米パックごはん終売のお知らせ(既報)
「特集」でお知らせしたとおり、美食同玄米パックごはんは、
現行ロットで終売になります。
これまでご愛用くださり、ありがとうございました。
現行ロットの通販はこちらです(さよならセール中)
https://rizonookome.rizo.co.jp/
○実験補助セミナー 今期も開講しています
文系でも未経験でも大丈夫!
子育て中のお母さんでも働きやすい、
研究機関での実験補助のお仕事の基礎を教えます。
お仕事の紹介、就職活動支援つき。
必要な内容だけの単発受講も可です。
次回は、9月17日(水)10時~11時半
「緩衝液の原理と調製法」
を学びます。
詳細、お申込みはこちらから。
https://rizo.co.jp/seminer.html
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…
○交配袋の定番品の製造は、2カ所の就労支援B型事業所
に依頼しています。
同じ作業を集中して続けるのはなかなか大変なのに、
いつも丁寧に仕上げてくださって大助かりです。
おかげでリーゾ本体は、難しい特注品に取り組めています。
就労センター飯田さん
https://www.syuro.or.jp/office/iida
サポートセンターこころさん
https://www.kokoro5885.co.jp/
○「疲労抜きジョグ」という走り方を最近知りました。
きつい運動で溜まった疲労物質を、遅いペースで走ることで
血行を促して排出する、アクティブレストのひとつです。
疲労物質溜まってないけど・・・と思いつつ試してみたら、
10キロ走ってもさほど疲れず、気持ちよく終了できました。
暑い時期のマラソン練習はこれに限ります♪
○「佐藤雅彦展 あたらしい×(作り方+わかりかた)」
(@横浜美術館)へ、帰省中の大学生娘と行ってきました。
先に図録(書籍)を買って、読むだけでも結構満足でしたが、
実際に見たらさらに楽しく、内容が濃すぎて4時間もいました。
心よりおすすめです。行けたらぜひ。
https://yokohama.art.museum/exhibition/202506_satomasahiko/
○最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも、リーゾとすいすい通信を、
どうぞよろしくお願いいたします。
すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、
および関係者の皆様にお送りしています。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を
承認していただける方がいらっしゃいましたら、
ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/
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【すいすい通信】
発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日
ご意見ご感想、および本メールマガジンの解除はこちらまで
info(at)rizo.co.jp
【発行元】
株式会社リーゾ
〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-9-5-A03
TEL:029-852-9351 FAX:029-898-9161
MAIL:info(at)rizo.co.jp
HP:http://www.rizo.co.jp/
※本メールは「MSゴシック」などの等幅フォントで
最適に表示されます。
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Copyright(C) Rizo Inc. All rights reserved.
☆ すいすい通信 ☆ vol.174 2025年9月3日配信
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こんにちは。リーゾの門奈です。
今月の「すいすい通信」をお届けいたします。
_/_/_/_/ I N D E X _/_/_/_/_/_/_/_/_//_/_/_/_/_/_/_/
・特集・・・・・・・・・・・・・・研究用「袋」さらなる進化
・零細起業のあれこれ・・・・・・・・・零細企業の後継者問題
・コーヒーブレイク・・・・・・ありのままを言えない?日本語
・リーゾからのお知らせ
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………
研究用「袋」さらなる進化
いろいろな植物種のご研究において、
開花後の人工授粉や純系維持、花粉回収、種子の超長期保存
などにご利用いただいているリーゾの研究用「袋」シリーズ。
最初の製品となった研究用交配袋は、
平均孔径が花粉より小さく、通気性と透光性がよく、軽く、
ポリシーラーで熱接着できる、という条件を満たす
国産の機能性不織布を取り寄せて、手作りしています。
ちなみに不織布のロールは通常の厚みが500m、
薄手が2000m巻きのかなり巨大で重たいものですが、
スチールラックとステンレス巻き棒とベアリングを駆使した
手作りのディスペンサーを作ることで、
切り出し作業がラクにできるように工夫しています。
イネ向け、ムギ向けなど8種類に加えて、
ご研究対象の植物種や、ご研究の目的やご要望に応じた、
様々なサイズや形状、時には材質も変えたものを、
特注品としてお作りしてきています。
お客様からの、時に無茶ぶりにも見える
「こんなの作れませんか?」
に対して、イエスかノーの前に
「どうやったら作れるか?」を考えてしまうのがリーゾ。
特注をヒントに、新たな人気商品が生まれることもあるので、
お客様からの無茶ぶりは(時に大変ですけど)大歓迎なんです。
ということで、今回は、最近いただいた特注品をご紹介します。
(※研究対象やご依頼主が特定されないよう、
ぼかして記載します)
まずひとつ目は、「花粉が回収しやすい袋」。
従来、花粉回収用の袋は「グラシン紙」を水糊で接着して
製作していますが、
「グラシン紙よりもっと滑りの良い紙で」
ということで、材料から検討しました。
光を通し、軽くて、水に強く、滑りが良い、に加えて、
重要なのが「水蒸気を通す」です(中に結露してはダメ)。
その結果、思いついたのが、クッキングシートに使われる
「シリコンペーパー」。
グラシン紙にシリコン加工を施した紙です。
ところが、成形の段階で「接着が全くできない」という難問が。
シリコン加工してあるので当たり前ですが、
糊もテープも全くくっつきません。
この点については、試行錯誤の末、解決策を見つけました。
「水糊でシリコンペーパーをしっかり接着する方法」、
どうしたらできるか、頭の体操してみてください。
(すごくシンプルで低コストな方法です)
ふたつ目は、「巾着型の交配袋」です。
袋の開口部付近にひもを通して絞れるようにして欲しい、
というご要望があり、どうしたらできるかひと晩考えました。
布袋なら、三つ折りにしてミシンをかけて紐通しを作ります。
同様のことを不織布とポリシーラーでできないか?と考えて、
開口部を折り返して熱接着する、
紐の入り口を空けるように側辺をシールする、
で、紐通しを作ってみました。
実際に紐を通して温室のイネに使ってみると、とても便利で、
どうして今までやってなかったのか?と思うほどでした。
この時は、屋外で果樹に使うということで、さらに
「周囲の枝に固定するひもを通すための耳」
もつけて欲しいとのご要望もあり、それも工夫して実現しました。
リーゾの不織布は、内側どうしのみが熱接着可能で、
「外側どうし」、「外側と内側」は全然くっつきません。
これはなかなか不便な性質でもありますが、
こういう性質だからこそ、道が開ける場合もあります。
(「耳」は、それで作れました)
実はいま「縦長の窓がついた交配袋」も制作中ですが、
それはまた、別の機会にご紹介したいと思います。
「こうだったら研究がもっとやりやすくなるのにな」
というニーズに、全力でお応えするのがリーゾの喜びです。
作り方を検討して、お見積を出すところまで全く無料ですので、
こういうのが欲しいけど無理?という場合には遠慮なく、
「無茶ぶり」してみてください。
※ご紹介した特注品は、他のお客様にもご提供可能です。
ご希望があれば、お声掛けください。
■ 零細起業のあれこれ ━━━━━・・・・・・・‥‥………
零細企業の後継者問題
起業を志す読者のみなさんへ、リーゾの経験をお伝えしています。
今回は、起業の行きつく先として避けては通れない
「後継者問題」を考えます。
40台で起業した私も、還暦まであとわずかの年齢となり、
「リーゾはいつまでやるの?」
と聞かれることが増えてきました。
いやいや、会社なんだからゴーイングコンサーン*でしょ、
(*企業活動は無限に続くと仮定されること)
と胸を張って答えられたらいいのですが、
多くの中小企業と同様、リーゾにも後継者は見当たりません。
考えてみれば、リーゾは今でも個人レベルの零細ですから、
「私が仕事を辞める=リーゾ終了」
とするのも不自然なことではありません。
そうか、会社ごと終わりにする手もあるのか!
とある意味、目から鱗でした。
リーゾがなくなっても、路頭に迷う社員はいないし、
借金はいつでも全額返せる範囲でしかしてないし、
会計年度を超えるような長期の受託契約などもないし、
やめたとして、誰に迷惑をかけることもないのかも?
ただ、リーゾの製品やサービスは、原則として競合がなく、
すなわち代替できる製品やサービスが世の中にないため、
ご利用中のお客様が困ったことになってしまうかも、
ということは心配です。
実を言うと、M&A会社などから、
「弊社の顧客企業が御社の買収に興味があると言っている」
という内容のメールや手紙は、これまでにも結構来ています。
とはいえ、おそらくですが不特定の小規模事業者に
ランダムに送っているんだろうと思い、
原則としてスルーしてきました。
なのですが、先日届いた同様の手紙に、
「試薬部門の切り離しを検討しないか?」
と、妙に具体的な提案が書いてあるものがあって、
ドキッとしました。
なるほど、うまいところを突いてきたものです。
すいすいシリーズは原価が安く、手間がかからず、高単価で
最も収益が大きい、リーゾの屋台骨ともいえる製品です。
すでに顧客がついていてブランドイメージもそこそこあり、
同業他社(試薬屋さん)にとっては、お買い得な事業でしょう。
切り離すといっても、分社化か、売却か、共同運営なのか。
難しい材料について相談&解決できるといういちばんの強みを
その後も生かせる道があるのか。
(ノウハウを伝授するのも限界がありますよね)
そして忘れてはいけないのは、切り離し後に残ったリーゾです。
交配袋、受託実験、鑑定事業、派遣&紹介、美食同玄米・・・
どれも比較的作業量が多くて利益が薄いものばかりです
(作業があるから楽しい部分もあるのですけどね)。
試薬も含めてすべてのことを少人数で切りまわせるからこそ
成り立ってきたリーゾですので、試薬の収益なしで、
経営を維持していくのはかなり難しいように思います。
成り行きでいろんなことをやっているリーゾを、
丸ごと面白がって引き受けてくれるような奇特な後継者が、
うっかり現れてくれたら良いのですけれど、
事業ごとに切り分けて、それぞれ得意とする人(会社)に
引き継いでもらうのが現実的なのかな・・・。
悩ましいところですが、先輩経営者諸氏に「まだ早い!」と
怒られそうなので、この話はこのへんにしておきます。
(なお、件のお手紙には、今のところお返事していません)
■ コーヒーブレイク━━━━━・・・・・‥‥‥…‥…‥…
ありのままを言えない?日本語
2025年7月26日に開催された、
「放送大学東京渋谷オンライン講演会
『日本語らしさとは何か~ありのままを言えない日本語は、
いったい何を言っているのだろう?』」(滝浦真人教授)
がとてもおもしろかったので、
例によって私なりに咀嚼してまとめてご紹介します。
言語とは、『ものごと=世界を描写する道具』です。
そして描写するとは、「ありのままを表すこと」。
・・・なのですが、日本語は「ありのまま」を嫌う言語だ、
というのがこのお話のテーマです。
たとえば、何かの集まりの司会をするとき、
「(集まりを)始めます」だけだと、
なんとなく「上から目線」と思われそうな気がして、
「始めたいと思います」とか、
「始めて参りたいと存じます」とか、
よけいな言葉をくっつけて、やわらげてしまいませんか?
この「・・・たいと思う」のような言い方を、
「クッション表現」あるいは「語用論的緩衝材」と呼びます。
「私は○○する」と言い切るのを避けるための表現です。
「こちらメニューになります」に代表される「なる」や、
「禁止させていただくこととなっております」の「こと」も、
クッション表現の一種です。
また、現在起こっていることなのになぜか過去形にする、
「ご注文は以上でよろしかったでしょうか?」の「た」。
不思議な表現だなあと前々から感じていたのですが、
これは、過去のことであるかのように扱い、
「いま・ここ」からあえて外すことで丁寧さをかもしだす、
いわば「視点操作」なのだそうです。
ちなみに過去でも完了でもない「丁寧の「た」」は方言にもあり、
例えば居酒屋などで、
「次回のご注文でしたが、あちらにタブレットがありましたので、
そちらからお願いします」
「お席での会計でしたので、そのままお待ちください」
などと表現することがあるそうです。
(北海道、東北あたりの方言とか)
敬語でも、誰が何をする、と直接的に言わないために、
人物は「場所的に」動作は「出来事的に」言い換えます。
例えば、
「相手の息子が結婚した」なら
「ご子息におかれましては、ご結婚になられた由・・・」
というように、他者の行為を、
「どこかの場所で生じた出来事」として表現することで、
相手を敬う気持ちを演出するわけです。
普通の会話でも、「ありのまま」は伝わりにくくて、
暑いなあと思ったときに、近くにいる人に
「今日は暑い」
だけ言われたら、返答に困りますが、
「今日は暑いね」
なら自然と「本当ですね」などと返せます。
つまり、「相手をマークする助詞=ね」をつけることで、
返答を促し、会話を成立させています。
一方で、話し手だけに関わる事象についてであれば、例えば
「ああ眠い」→「疲れたんじゃない?」
「腹減った」→「何か食べる?」
のように、そのままで伝わり、自然な会話につながります。
日本語の特徴のひとつに「やりもらい」があります。
「教えてあげといてもらえると助かる」
「役員をさせていただいております」
など、よく考えると「誰が?」「誰に?」が不明瞭なのに、
なぜか伝わってしまうのが不思議です・・・。
まとめますと、日本語では、正確さや明瞭さよりも、
遠慮深さを優先して表現する傾向があるようです。
あえてありのままを言わずに伝えるなんて面倒な言語ですが
「クッション表現」「視点操作」「丁寧の「た」」「敬語」
などのツールが使われていることを学んだ今、
わかりにくい日本語も、スムーズに脳内変換できそうです。
■ リーゾからのお知らせ ━━━━━・・・・・・・‥‥……
○美食同玄米パックごはん終売のお知らせ(既報)
「特集」でお知らせしたとおり、美食同玄米パックごはんは、
現行ロットで終売になります。
これまでご愛用くださり、ありがとうございました。
現行ロットの通販はこちらです(さよならセール中)
https://rizonookome.rizo.co.jp/
○実験補助セミナー 今期も開講しています
文系でも未経験でも大丈夫!
子育て中のお母さんでも働きやすい、
研究機関での実験補助のお仕事の基礎を教えます。
お仕事の紹介、就職活動支援つき。
必要な内容だけの単発受講も可です。
次回は、9月17日(水)10時~11時半
「緩衝液の原理と調製法」
を学びます。
詳細、お申込みはこちらから。
https://rizo.co.jp/seminer.html
■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…
○交配袋の定番品の製造は、2カ所の就労支援B型事業所
に依頼しています。
同じ作業を集中して続けるのはなかなか大変なのに、
いつも丁寧に仕上げてくださって大助かりです。
おかげでリーゾ本体は、難しい特注品に取り組めています。
就労センター飯田さん
https://www.syuro.or.jp/office/iida
サポートセンターこころさん
https://www.kokoro5885.co.jp/
○「疲労抜きジョグ」という走り方を最近知りました。
きつい運動で溜まった疲労物質を、遅いペースで走ることで
血行を促して排出する、アクティブレストのひとつです。
疲労物質溜まってないけど・・・と思いつつ試してみたら、
10キロ走ってもさほど疲れず、気持ちよく終了できました。
暑い時期のマラソン練習はこれに限ります♪
○「佐藤雅彦展 あたらしい×(作り方+わかりかた)」
(@横浜美術館)へ、帰省中の大学生娘と行ってきました。
先に図録(書籍)を買って、読むだけでも結構満足でしたが、
実際に見たらさらに楽しく、内容が濃すぎて4時間もいました。
心よりおすすめです。行けたらぜひ。
https://yokohama.art.museum/exhibition/202506_satomasahiko/
○最後までお読みいただき、ありがとうございました。
これからも、リーゾとすいすい通信を、
どうぞよろしくお願いいたします。
すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、
および関係者の皆様にお送りしています。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を
承認していただける方がいらっしゃいましたら、
ぜひご紹介くださいますよう、お願いいたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/
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【すいすい通信】
発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日
ご意見ご感想、および本メールマガジンの解除はこちらまで
info(at)rizo.co.jp
【発行元】
株式会社リーゾ
〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-9-5-A03
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最適に表示されます。
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