すいすい通信 vol.98 2019年5月号


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  ☆ すいすい通信  ☆  vol.98 2019年5月8日配信 
          
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こんにちは。リーゾの門奈です。

長い連休、いかがお過ごしでしたでしょうか。改元の祝賀ムード
とは無縁のリーゾですが、美しい調和を意味するという新しい元
号にふさわしい社会に、なっていくといいなと思っています。

それでは、『令和最初』の「すいすい通信」をお届けします!


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・特集・・・・・・・・・・・・・・・・いつでもメダカすくい
・零細起業のあれこれ・・・・・・・お米の「無人販売」に挑戦
・コーヒーブレイク・・・・・・・・・・・・・培養肉と人工肉
・リーゾからのお知らせ
 
          
■ 特 集 ━━━━━━━・・・・‥‥‥………………………

いつでもメダカすくい

つくば市内の農産物直売所「えるふ農国」で不定期に提供してい
るセルフサービスのメダカすくいについては、以前、「同時性の
解消」の例としてちらりとご紹介しました。

こんなことを始めたきっかけは、昨年のみどりの日とこどもの日
に、えるふ農国のお客様サービスイベントとして、金魚すくいな
らぬメダカすくいを開催したことでした。

お客様のニーズに応え、すくったメダカをその場でミニアクアリ
ウムにしてあげるサービスも追加し、まずまずの盛況でした。

その様子を見てお店側は、定期的な開催を希望。でも、毎回休日
返上は負担が重いし、単発イベントだと都合がつかないお客様も
いらっしゃる。

店番がついてる必要なく、いつ行ってもできるメダカすくいはで
きないものか・・・と考え末、セルフサービスにすればいい!と
思いつきました。

とはいえ実現のために乗り越えるべきハードルはいろいろあり、

・水の傷み(メダカがたくさんいると1日で濁ります)
・メダカが減る、死ぬ(すくわれると減るし、生き物なので死ぬ
ことも避けられません)
・えさやり問題(メダカにも食べ物が必要)
・お金の管理(どのように売上を計上するか)
・すくえなかったときのサービス(何ももらえないのは寂しい)
・使用済みポイの始末(周りが散らかるのは困る)

など山積みでしたが、

・水の傷み→ミニアクアリウムの原理で、ソイルを敷いてバクテ
リアが水を浄化、余分なえさはエビと巻貝に掃除してもらう
・メダカが減る、死ぬ→定期的にメンテナンスに行く
・えさやり問題→メンテナンス時に給餌する
・お金の管理→直売所のレジでポイと袋を買ってもらえばよい
・使用済みポイの始末→池の横にごみ箱を設置

と、ひとつひとつ解決していきました。

意外と難問だったのが「すくえなかったときのサービス」。特に
失敗しやすい子供には何かあげたい。そこで、レジでスーパーボ
ールかメダカのえさをもらえるようにしてみました。

(※その後、レジ係の負担になるということで廃止になり、池に
浮かべてあるスーパーボールをおひとつどうぞ、という形に変更
しました)

実際のご利用の流れは、
・レジで100円払い、ポイと袋を受け取る
・メダカ池(ホームセンターで売っているプラ舟を利用)の横に
置いてあるお椀に水を入れ、メダカすくいを楽しむ
・メダカのほか、エビや巻貝もすくってオーケー
・すくえたメダカは、水ごと袋に入れて持ち帰る
・すくえなかったら、浮かんでいるスーパーボールをひとつ取る
という感じです。

昨年6月〜7月の2か月間の試験実施の間に遊んでくれた方はの
べ232名。やはり土日に多く、20名を超える日もありました。
子供だけでなく、ご夫婦で楽しんでいたり、スーツ姿のサラリー
マンがひとりで遊ぶ姿も見られました。

金魚すくいやメダカすくいって、子供が遊ぶもの、大人が遊ぶの
は恥ずかしいというイメージがありますが、忍耐力、反射神経、
動体視力、集中力などが試される、大人にこそおすすめしたい遊
びだということをアピールしたかったので、これはなかなかうれ
しい結果です。

利益はどうかというと、原価はポイが10円、袋が5円、お店の
手数料が20円で最低35円。メダカは1匹30円。3匹で赤字
になるし、メンテナンスに通う人件費はとても出ず、ビジネスと
してはまだまだ改良の余地ありです・・・。

とはいえ、すくったメダカを飼うために、ソイルや牡蠣殻、水草、
えさなどのついで買いもあり、ミニアクアリウムを買うきっかけ
にもなるので、トータルではちゃんと黒字になってます。

さらに、メダカの住む自然環境に興味を持つきっかけになったり、
そこから理科、科学への興味に発展したり、あるいはメダカの魅
力にはまったり、えるふって楽しいお店だな、と感じてくれるお
客様がいたりすれば、がんばる価値はじゅうぶんあります。

もともとは、美食同玄米を置いていただけるようお願いしたのが
えるふとのご縁の始まりでした。体に良い食材を求めるお客様に
直接アピールする機会を初めてもらえた恩があるので、「ここに
来ると楽しいと感じてもらえる場所になったらいいな」「どうし
たらそうなるかな」と、勝手に考えていろいろやっています。

セルフサービスメダカすくいは、今年は「春休み限定企画」でス
タートし、好評につき10連休明けまで延長し、無事に終了。

・・・のはずでしたが、お店の要望で再延長中。気温が上がって
管理が難しくなる時期、水の状態を見守りながらがんばります。

えるふ農国はイオンモールつくばの外部棟にある古民家風の建物
です。
お近くの方はぜひ一度遊びに来てくださいね。

えるふ農国のご案内はこちら
https://tsukuba-aeonmall.com/shop/detail/425


■ 零細起業のあれこれ ━━━━━・・・・・・・‥‥………

お米の「無人販売」に挑戦

起業を目指す研究者さんへ、リーゾの経験をお伝えしているシリ
ーズ。今回は、今年新たに始めた美食同玄米の「無人販売」につ
いてです。

郵便局春の関東特産品カタログへの掲載のきっかけを作ってくだ
さった、つくば市大曽根の大穂郵便局の局長さんから、

『郵便局で地域の特産農産物の無人販売コーナーを設置できるこ
とになったのだけれど、美食同玄米どうですか?』

とお話をいただいたのが今年の2月頃。

聞いてみると、郵便局内に専用の棚を設置し、面積あたり月あた
りの料金を払って、棚を借りるという形で、鍵のかかる貯金箱の
設置や日々の集金、商品補充など全て出品者が行うというシステ
ムだそう。

初期費用は不要で、広さにより1ヶ月2000円〜の費用負担で
済むとのこと。

さらにありがたいのは、貯金箱に入ったお金は全部出品者のもの。
つまり、通常売上あたり1割〜3割の販売手数料が不要。願って
もない、好条件です。

「郵便局に来る人が、お米を買うのかな?」という素朴な疑問は
ありましたが、社員とも相談して「リスクはないし、とりあえず
3ヶ月やってみよう!」と、4月からの3ヶ月で申し込みました。

申し込み後は、販売する商品の内容や価格、ラベルなどを書類に
まとめて提出し、本部の審査を受けて承認を受ける、という手続
をしました。

あとは、店頭にかざる垂れ幕(のぼり素材)とPOP、商品を入れ
るカゴ、代金を入れてもらう貯金箱、そして商品そのものを用意
すれば準備完了です。

かんじんの商品については、やはり玄米ごはんを食べてほしいと
いう気持ちから、600g入り1000円の美食同玄米と、3個1000円の
パックごはんはどうしても置きたい。

『無人販売で1000円って普通買わないのでは』という反対意見も
出ました。そこで、150円、400円の買いやすい商品を前に置いて
初めての方にアピールしつつ、1000円のは「気に入ったら買って
ください」という雰囲気で後に置く、としました。

管理の手間を勘案して、アイテム数を絞り込み
・美食同玄米50g入りスティック 150円
・美食同玄米もちむぎミックス50gスティック 150円
・美食同玄米、もちむぎ、ミックス 各50gの3本セット 400円
・600g(4合)入り美食同玄米 1000円
・美食同玄米パックごはん 3個セット 1000円
の5種類に決めて、4月1日にスタートしました。

その後、週2ペースで集金と品出しに行っています。貯金箱にお
金が入っていると、そのお金をお財布から出してくれた人の手を
想像するからでしょうか、通帳に振り込まれるのとは違う、不思
議なうれしさを感じます。

正直言うと、商品がなくなったり、お金を盗まれたりすることも
覚悟していたのですが、今のところそういうことは一切ありませ
ん。ちょっとでも不安に思った自分が恥ずかしいです・・・。

思ったよりもたくさん売れているのは、局長さんが熱心に宣伝し
てくださっているおかげのようです。局のみなさんにも温かく見
守っていただいています。

設置場所は空調の効いたATMコーナーで、窓口よりも長く、また
土日も利用できて便利です。
6月末まで設置の予定です。成果報告は改めて!


写真入りブログ記事はこちらです
http://rizo-inc.cocolog-nifty.com/blog/2019/03/post-e927.html


■ コーヒーブレイク ━━━━━・・・・・・・‥‥‥‥……

培養肉と人工肉

地球の人口が増えすぎると食糧が足りなくなり、穀類を家畜に与
えている場合ではなくなり、肉が食べられなくなる、と言われて
います。

また、仏教のお坊さんなど、宗教的な理由で肉を食べてはいけな
い場合もありますし、食べたいけれど、経済的な理由でなかなか
肉を買えない・・・という人(貧乏学生とか?)もいます。

でも肉を食べたい。を解決するのが、動物の肉ではないもので作
る「人工肉(肉もどき)」です。

これとは別に、食糧難に備えて開発が進み、近頃よく耳にするよ
うになってきた「培養肉」というものもあります。

「人工肉」と「培養肉」。一見違いがわかりにくいですが、どう
違うのでしょうか?

まず人工肉とは、大豆や小麦など、植物のタンパク質を材料とし
て作った肉状の食品の総称で、精進料理などで古くから食べられ
ています。

大豆のタンパク質としてポピュラーなのは豆腐や湯葉、小麦の方
は強力粉に多く含まれる「グルテン」です。これらに調味料を足
して成型して作ります。

湯葉で作った鶏そぼろ(もどき)や、小麦グルテンで作ったから
あげ(もどき)を食べたことがありますが、舌触りや噛み応えま
でそっくり。後味がちょっと違うとはいえ、鶏肉については、か
なりの完成度になるようです。

一方で難しいのは牛肉。牛肉特有の「血の味」は、植物ではなか
なか出せません。ところが、血の味は「ヘム」というタンパク質
があればよいと気づいた人がいて、植物由来のヘムを配合した人
工肉(商品名:インポッシブルミート)が作られました。

このインポッシブルミートは、すでに全米で5000ものレストラン
やハンバーガーショップで使われていて、健康志向の人々に人気
があるそうです。もしかしたら日本でも食べられるところがある
かもしれません。

人工肉が、「肉を植物で再現する」という方向性で作られている
のに対し、培養肉は、動物の筋肉細胞を培養して作る、つまり
「肉そのもの」の再現が目標です。

牛の筋肉細胞を培養して増やせばいずれは牛肉になるというわけ
ですが、もちろん話はそう簡単ではありません。

動物の細胞は、培養液中をばらばらの状態で浮遊しながら増えて
いきます。栄養分が行き渡らないと死んでしまうので、培地は常
に新しく、常に攪拌して酸素も供給しながらの培養です。もちろ
ん雑菌やウイルスの混入はアウト。手間もお金もかかります。

うまく増やせるようになったところで、次の課題は「3次元化」。
肉ですから、立体でないといけません。これがまた難しくて、細
胞を縦につないで繊維にしたものを束ねて筋肉状にするとか、シ
ャーレで細胞の膜を作らせてそれを小さな枠の中に重ねていくと
か、いろいろな作戦が考えられています。

コストを計算するとハンバーガーで3000万円にもなるそうで
す。ですが、培養に必須で高額の「血漿成分」を安価に作る方法
が発明されたりもしていて、いつか庶民の手が届く値段になる日
が来るかもしれません。

最初に書いたように、人工肉や培養肉が開発される背景には、食
糧難への危惧があります。穀類を家畜に与えている場合ではなく
なると、当然肉は高価になります。

湯葉や野菜を材料に作る肉もどきやうなぎもどきの、気が遠くな
るようなめんどくさい調理工程。修業を積んだお坊さんでも、こ
こまでして食べたいものなのだから、凡人が肉食をがまんできる
わけありませんよね・・・。

多くの人に高く売れる=ビジネスとして旨みがあるため、投資が
集まり、研究が加速します。実現したら、ほんとうに爆発的に売
れるのか?儲かるビジネスになるのか? 先月のゲノム編集食品
ともども、経営者目線で興味しんしんです。


■ リーゾからのお知らせ ━━━━━・・・・・・・‥‥……

○「実験補助セミナー2019」受講生募集中

研究機関で働きたい主婦を対象としたセミナーのお知らせです。
実験補助の仕事に役立つ基本的な技術を8回シリーズで教えます。

初回は5月15日(水)10時〜11時半、ピペットチップの扱
いと滅菌、実験器具の洗浄について学びます。残席2です。

毎月1回、第3水曜日の午前中にリーゾにて開催。気になるとこ
ろだけの受講もOK。お気軽にご参加ください。

http://www.rizo.co.jp/seminer.html


〇DNA鑑定による植物種の同定サービス始めました

植物体の一部(乾燥していても可)を送っていただき、遺伝子の
一部を解析して既知の配列と比較し種の同定を代行するサービス
を始めました。

自由研究での植物採集でわからないものがあったとき、混入した
異物の正体を知りたいときなどにお役に立てるかと思います。

詳しくはこちらをご覧ください。

http://rizo.co.jp/plantidentify.html


■ 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━・・・・‥‥‥…

○決算作業が終わりました。昨期のリーゾは売上高4割増。人材
派遣が大幅に伸び、試薬や受託、交配袋、それにお米も少しずつ
伸びました。お客様の満足の後をゆっくりついてくるのが売上だ
とするとこれは本当にうれしいこと。微力ながら今後も各方面で
価値を提供できるようがんばります。

○先日、某国の研究機器商社さんよりすいすいシリーズのご注文
をいただきました。実は海外の会社との取引は初めて。英文メー
ルのやり取りから銀行への振込依頼、国際郵便での発送まで、な
んとか完遂。振込手数料負担のお願いを忘れるという落とし穴が
ありましたが、これも授業料かと。貴重な経験が得られました。

○昨年の夏の終りから週末ランナーしています。姿勢と体型が改
善したこと、代謝がよくなったこと、電車で座れなくても平気に
なったこと。走り始めてよかったこといろいろあります。先月は
かすみがうらマラソンで10マイル(約16キロ)を完走。還暦まで
にフル完走という夢ができました(あと何年あるかは秘密)。

○最後までお読みいただき、ありがとうございました。これから
もリーゾとすいすい通信をどうぞよろしくお願いいたします。          



すいすい通信は、「株式会社リーゾ」のお客様、および関係者の
皆様にお送りしています。この号は909名様に配信しました。
お知り合いで、「すいすい通信」の配信を承認していただける方
がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介くださいますよう、お願い
いたします。
配信登録はこちらからできます。
http://rizo.sakura.ne.jp/vd/entry/e/bS8PtaC5kPRXp3iy/



【すいすい通信】

発 行 日:月1回・第1水曜日(予定)
発行開始日:2011年4月7日


【発行元】

株式会社リーゾ
〒305-0005 茨城県つくば市天久保2-9-2-B201
HP:http://www.rizo.co.jp/

※本メールは「MSゴシック」などの等幅フォントで最適に表示さ
れます。

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